「大肩衝茶入付(つけたり)千利休書状」が岩国市指定文化財に指定されました。
今年3月29日付で岩国市指定文化財として「大肩衝茶入」と付(つけたり)として「千利休書状」が指定されました。こちらの指定をうけ、5月6日(月・祝)まで展示致します。
この大肩衝茶入は吉川家17代当主吉川広家公が豊臣秀吉公から拝領しました。共に指定された千利休書状には「上様(秀吉公)から茶入を拝領したことは大変めでたいことです。」と書いてあります。
広家公は兄である元長公が九州平定の最中に死去した為、遺言に従って天正15年(1587)当主となります。この茶入は九州平定後に秀吉公によって毛利輝元公・小早川隆景公と共に京都へ招かれた際に拝領しました。広家公はその際に、秀吉公の養女(宇喜多秀家の姉)を正妻に迎えることが決まりました。また、天正19年(1591)に出雲の月山富田城への居城の許可を得た際には領地加増を受けるなど軍事的な影響も受けましたが、社交の場で必要とされる茶の湯や和歌といった文化的な側面でも秀吉公から影響を受けており、この茶入も秀吉公との関係を示す上で大変貴重な史料です。
現在開催中の「明治維新と吉川家」と共に展示をしておりますので、ぜひゆっくりご鑑賞いただきたいと存じます。